NPO独自取材

いたわり合いの指圧講座

平成27年6月12日(水)、中央公民館・和室においてKAIS(NPO法人かまがや地域情報の窓)主催による市民講座が開催された。題して「いたわり合いの指圧講座」。講師は市内に居住する指圧師・御代川麻奈美さん。 麻奈美さんは指圧あんまマッサージ師と看護師の国家資格を保持しておられる。

「自然根源療法 はもえね」の代表。「癒療師(ゆりょうし)」である。

そこがつぼ !!の指圧を学ぶ !!この講座は6月から8月まで月に2回、全6回の開催が予定されている。第1回の12日は「いつも背中が重苦しい」、そんな症状を和らげ癒すことがテーマ。2人1組での参加者は、当然ながらご夫婦や母娘、そして友だち同士であったが、急遽1名が参加できない状況となり代役として筆者が加わることとなった。講座は、背中を圧す(おす)ための基本となる指の形から始まる。

  • 基本の指の形

  • 指圧体験の様子

まず、指の形を作ってみる。ステップ1は背中に対して小指をつける。つぎは親指をつける。そして残りの3指を添える。A印の関節は外に出るようにする。そして締めは、その親指に体重を乗せて圧す。マッサージなどの実技経験などは皆無と思われる参加者の皆様は、その一つひとつを確認しながら床に伏す相手方の体に指を落としてみる。ここからスタートした。単純なようでいて、結構ややこしい。こんなこと一つでもたやすいものではない。

「指圧」という言葉から、「指に力を入れて圧す」と思ったら大違いだった。圧をかけるときは、指に力を入れたり腕力による方法はダメ。指圧とは腕や指の力を抜いて「体重をかけて圧す」ことと知らされた。そして、圧す方向は身体に対して垂直にしなければならない。この二つが大切であることを学んだ。ここが指圧の大きなポイントなんだと思う。理解はしたものの、初めての経験でもあり素人には思うようにいかない。初心者には圧す位置や力加減などは難しい。

講師からは、途中にいろいろとお話がある。「圧す深さを意識すること」。凝っているところは、圧力が浅くても硬く感じる。その場合は強く圧さない。そして柔らかいところは、沈むように指が入る。こんなときは身体の深部の凝りまで指が届く。なるほどと納得した。

  • 背中を圧す

  • 指圧体験の様子

改めて人の背中には、いろいろな骨があるものと思った。頸椎や肩甲骨、腰椎などは分かるが、腸骨稜・仙骨などは初めて聞く名前のように思った。それはさておき早速、指圧の実技に入る。まずは背骨を探さねばならない。自分の背骨は直ぐに分かるが、衣服の上から人様の背骨を見つけるのは意外と難しい。指の位置は、背骨から1センチほど横に離れたところにおき、上図の肩甲下部の上のほうから下方へ、順番に指圧を加えていく。「背中の症状の癒し」には、「背骨の横1センチのあたりを圧す」というのが面白い。ここが指圧のつぼ ! ということらしい。

相方と2人交互に、指圧する側、される側でどんな具合か確かめながら初めての経験をする。相方のおばちゃんも指圧は初めての経験とか。小手先の指の動きではなく、親指をとおしてグイグイと体重が乗ってくると骨身に堪える。いや、背中の凝りが癒される感触がする。とても気持ちよい。普段は経験しないそんな快感を味わった。慣れていないせいか、圧すときは「凝りの具合」がなかなか掴めないが、受け方の圧されるほうは背中の凝りを確認できて結構気持ちがよかった。

基本の基本

講師の麻奈美さんからは、途切れなくアドバイスが出る。ややもすると忘れそうになる指圧の基本。受講者からは、あちこちからお呼びがかかる。麻奈美さんは指導に忙しく飛び ? 回る。ここで念のために、「基本の基本」たるものを整理して記しておこう。

  • ①親指の位置を確認する。指は背骨から1センチのところにおく。もう一方の手は、圧をかける手の上に添えるだけで良い。
  • ②圧をかけるのは腕力ではない。親指に体重をかけて行う。そして圧す角度は、体に沿って垂直に...。
  • ③体の姿勢が大切。指圧の姿勢、外側の膝は垂直に立てる。 (上記の画像では、おじさんの姿勢が参考になる=圧が体に垂直にかかっている。また、膝も垂直 !!!)
ここがつぼ。1、肩甲間部1。頭が重くて頭が下がる。姿勢のくずれに効く。 2、肩甲間部5と肩甲下部1の重なるところ。なんとなく胸が苦しい、呼吸しづらい、背中がつっぱるに効く。 3、肩甲下部6。腎のつぼ 慢性疲労で生気が出ないに効く。4、肩甲下部10。腰のつぼ、腰の疲れ、腰のつっぱりに効く!!

14時から始まった指圧講座は、あっという間に予定時間を経過した。終了直前になっても、多くの質問などが出て止まらない。皆さん、興味津々で少しでも多くの知識を得ようと心いっぱいの感じ。楽しく過ごせた時間は、とても幸せに満ちたものとなりました。特別な道具も要らず、パートナーや両親の疲れや痛みを解消!!癒しには指圧が一番でしょうか。ここにきてやっと、「指圧の心は母心、圧せば命の泉わく」の名セリフを思い出しました。

次回のテーマは、「悩みは腰痛 腰のつぼと お尻をほぐす」。多くの人たちが抱えて悩む腰痛 !!! 受講者の皆さん、次週を楽しみにしつつ、公民館を後にしました。

C・W

講座の概要を説明する御代川麻奈美さん 受講者の方々
指導は懇切、丁寧であった ! 指圧の効果は抜群!!!

追記

御代川麻奈美さんは看護学校を卒業後、看護師として東京・大森の日赤病院に勤務。その過程で、病気の根本とは何か。その治療に関しても思考する。たどり着いたのが、マッサージで笑顔を取り戻す日本発祥の手技療法「指圧」だった。3年間の看護師生活に区切りをつけて指圧専門学校に入学。卒業後、カナダ・バンクーバーなどで指圧の普及に務める。

2年前に東京・築地に、「自然根源療法 はもえね」を発足させた。平成26年8月、結婚を機に鎌ケ谷市に移住。同時に「はもえね」を開設した。「はもえね」は、ハーモニー(調和)とエネルギーから名付けた造成語。

「はもえね」の目指すところは、西洋医学のみに拘らず「心気体」の多角的視点から体の痛みを軽減し、心を癒し、元気な生活を取り戻す。いわば「西洋×東洋 !」がライフワーク。看護師と指圧師という二つのフィールドを知る麻奈美さんは、「西洋医学と東洋医学などとの統合医療への架け橋を目指す」との由。その挑戦たるや、まことに素晴らしい。

御代川麻奈美さんのブログ